INTER BEE CONNECTED 基調講演「配信新時代 ~キー局とプラットフォーム~」(2017年11月15日)実況まとめ(個人用)

下記セッションを個人的に実況したまとめです。内容に誤りがないことを保証しません。

11月15日(水)13:00-14:30
配信新時代 ~キー局とプラットフォーム~

パネリスト:
太田正仁氏(日本テレビ)
大場洋士氏(テレビ朝日)
茂川博史氏(東京放送ホールディングス)
蜷川新治郎氏(テレビ東京コミュニケーションズ)
野村和生氏(フジテレビ)

モデレータ:
塚本幹夫氏(ワイズ・メディア)

まとめを作った人: sknsdys @sknsdys
タグ: InterBEE InterBEE2017 INTERBEECONNECTED

INTER BEE CONNECTED 基調講演「配信新時代 ~キー局とプラットフォーム~」
パネリスト:
日本テレビ放送網株式会社 インターネット事業局 インターネット事業部 部次長
太田 正仁 氏
株式会社テレビ朝日 総合ビジネス局 デジタル事業センター長
大場 洋士 氏
株式会社東京放送ホールディングス 総合戦略局 総合戦略部長
茂川 博史 氏
株式会社テレビ東京コミュニケーションズ 取締役
蜷川 新治郎 氏
株式会社フジテレビジョン 総合事業局
コンテンツ事業センター コンテンツデザイン部 部長職
野村 和生 氏

モデレータ:
株式会社ワイズ・メディア 代表取締役 メディアストラテジスト
塚本 幹夫 氏

[public] 2017/11/15 01:00:53

塚本氏:今年はプラットフォーム戦略についてお話しいただこうと依頼した。TBSはホールディングスからお越しいただいたがほか4人は毎年同じメンバー。だが緊張感をもって進めていきたい。

[public] 2017/11/15 01:04:05

塚本氏:この1年の動きについて振り返ってみたい。昨年8月DAZNがサービス開始。スポーツの配信が本格配信る在阪局が無料見逃し配信に本格参入。5月、PPJ設立。7月、HJHD第三者割当増資。10月dTVチャンネル開始。
プラットフォームの話を伺うが、その前にこの(AbemaTV)をしなければならない。72時間ホンネテレビの延べ視聴者数が7400万人。これをどう評価するか。
太田氏:正直最初舐めていた。7400万人は積み上げだがすごい数字。事業的には大変だと思うが、視聴者の時間を奪い、リアルタイムでCMを入れているのがすごい。
茂川氏:話題性×ビュー数だとこのくらいは予想していた。事前の宣伝など参考になった。

[public] 2017/11/15 01:11:24

蜷川氏:インスタ、Twitterなどネットを駆使しているのがすごい。日本シリーズというメジャーコンテンツをやりながに72時間をやっているのもすごいと感じた三日間だった。
野村氏:お金のかけ方がすごい。24時間ユルテレビをやったが数千万円の前半だった。技術的にどうやっているんだろうというところもあった。
大場氏:非常に高い評価をいただいた。地上波ではできないことをやるが、放送法の縛りを受けずに自由にやるというのも違う。その中間だと思う。試行錯誤の段階でわれわれもサイバーエージェントのスタッフもやっている。
塚本氏:発表前から知っていた?
大場氏:同じタイミングで知った。

[public] 2017/11/15 01:15:22

塚本氏:本題に入る。各局のプラットフォームに対する向き合いを一心同体・主体的・共同体・蜜月に分類。こういう状況の中で、各局がプラットフォームに積極的に参加する意味やサードパーティーのプラットフォーム対応などを聞いていきたい。その前に各局の取り組みについてお話しいただく。

[public] 2017/11/15 01:17:25

太田氏:毎年ここで話しているが、大概テレ東の蜷川さんがおいしいところをもっていくので淡々と。日テレは日テレ無料、日テレオンデマンド、Huluの三本でやっている。コンテンツの出し分けについて聞かれるのでサービス整理した。最新話はどこでも出す。過去話はオンデマンドとHulu。日テレの旧作はHuluとオンデマンド、他CPの旧作はHulu。他CPのコンテンツも扱っているのが他局との違い。
見逃し配信をすることで無料が増える。無料ユーザーを有料配信に誘導。

[public] 2017/11/15 01:21:30

太田氏:われわれにとってB2Cは新しい領域だったが、放送事業が総崩れになったときにB2Cは崩れなかった。契機に左右されない事業。事業視点ではB2Bと全く違うことをしている。
日テレ無料について。6コンテンツから24コンテンツに。昨年単年度黒字を達成。
Hulu。400コンテンツ。順調に伸びている。
システムプラットフォームの話を用意してきた。かつてはバラバラだったがいまはすべて自社でやっている。2年半かけてリニューアルしたがシステムトラブルを起こしてしまった。得られたものでいちばん大きかったのは日本最大級の動画システム。次は自由。成長可能なシステムを作っている。システムの自社化。゛上流から下流まで自社グループで構築できるのは日テレだけ。
今後。日テレ無料はどんどん接触を広げる。コンテンツをまいて有料につなげる。

[public] 2017/11/15 01:29:24

大場氏:今年の二月に発表した「テレビ朝日360°」。すべての根幹はコンテンツ。パートナーとの提携。AbemaTV、ビデオパス。TVer、新日本プロレス、東映特撮ファンクラブなど。
カニバルかと聞かれるが、とにかくテレ朝のコンテンツを好きになってもらって地上波に帰ってきてもらい、また新しいことをやるのが目標。
それ以前から動画配信に取り組んでいた。動画広告の成長は予想以上。
戦略の全体像。プラットフォーム優位の段階はコンテンツ販売で利益の最大化。。プラットフォーマー寡占化の段階は自分もプラットフォーマーに。動画広告市場が成長すれば自分もそれを取りに行く。

[public] 2017/11/15 01:36:09

大場氏:テレビ朝日の動画配信事業。テレ朝動画本店以外は1年半で一気に立ち上げた。
AbemaTV。本開局から1年7ヶ月で2300万DL突破。MAUは1千万近く。WAU1千万までどうたどり着くかが課題。ニュースをしっかり作るのはテレビ朝日だからできるアセット。
ビデオパス。会員数が増えるほど利益が増えるという事業モデル。今年はトリック新作で話題づくり、投影に協力いだいいて特撮を限定配信。ドクターXのスピンオフ。放送にもかけられるクオリティで作っている。

[public] 2017/11/15 01:39:48

大場氏:今年テレ朝POSTを立ち上げ。番組のページに能動的にくる人は少ない。番組を知ってもらうため。Abemaタイムスで放送後の事後配信をやり、ソーシャル上のいろいろを学び立ち上げた。
テレビ朝日の考え方はパートナーとの事業立ち上げ。プラットフォームの中に色々なデータがとれ、それに基づいたコンテンツづくりもあるが、いちばん衝撃的なのはAbemaTVたちあげの時にサイバーエージェントと話していてコンテンツとはUI/UXのことだと半年たって気づいた。これが本当にいい経験。ユーザーがどう使うシーンを想定するとか使ってもらうUIを大事にすることを学んだ。引き続きいろんな展開をしていきたい。

[public] 2017/11/15 01:43:12

茂川氏:簡単に自己紹介。88年入社。ADから始め最後の番組ははなまるマーケット。99年BS-iに。広報、制作、編成部長をやり2015年ホールディングスの総合戦略部長に。BSのころからインターネットは必要だと思った。テレビをどう補完するかを広告主といっしょに学んだのは非常によかった。ホールディングとしてPPJに取り組むため、(ホールディングスの)私がお邪魔した。

[public] 2017/11/15 01:46:54

茂川氏:PPJは企業名であってサービス名ではない。近々発表できると思う。株主にご注目いただきたい。日経、テレ東、WOWOW、電通、博報堂という座組があってのPPJ。一社でこれだけのものをやるのは相当大変。レッドオーシャンに飛び込む中で考えた結果。システムトラブルへの対応も大変。TBSはドラマが好調だが、それだけで見放題はできず、それぞれからコンテンツを出していただく考え。株主間調整は大変だが、乗り越えられればおもしろいサービスができる。

[public] 2017/11/15 01:50:04

茂川氏:設立の目的。動画配信市場の成長。配信がないテレビがあり得るのか。見逃し配信のがテレビ視聴に戻ってくる効果を感じており不可欠。広告主も期待している。では何をやるか。サービス名称がなくロゴもキャラクターもないがそれをいま一生懸命やっているところ。SVODが軸。TBSのドラマを中心に集約し、TVODも行う。スポーツ、ニュースというライブストリーミングも行うべき準備。デバイスは先輩方と肩を並べるべくがんばっている。本格的なサービス開始は来年4月を予定

[public] 2017/11/15 01:53:37

茂川氏:主なコンテンツラインナップ。なるべくいろんな放送局・放送局以外の総合的プラットフォームになればいいと思う。そのためにTBSは車輪を回す。株主がこれまで放送してきたアーカイブ。TBSがドラマが強い。バラエティはテレ東が強い。スピンオフ企画も検討中。それ以外にもドラマのスピンオフや配信オリジナルも。懐かしい物から新しいものまでやりたい。

[public] 2017/11/15 01:56:19

蜷川氏:テレビ局の課題。そもそも100%リーチがなくなった。就職活動に来る人もYouTubeで見ている。イコール広告のビジネスモデルが難しくなってきた。テレビが使いづらくなってきた。進化しているがほかのデバイスの進化が早い。若い人にとっては使いづらい。チャンネルを変えるのに2・3秒かかるのを、ネットで2秒かかると離脱する時代にどう克服するかをお集まりのみなさんに考えていただきたい。新聞のラテ欄に変わるプロモーション。毎朝最新のカタログを届けられていたが、旬のラインナップを届けられなくなってきた。デバイス・サービスへの最適化。視聴率というサンプルデータに頼ってきたのでデータがない。

[public] 2017/11/15 02:00:44

蜷川氏:パートナーシップ。再弱小だからこそできること。いろいろなエントリーポイントを持ちリーチを最大化。いろいろなエンジニアリングのパートナーと対等に付き合い。ぷらら、Amazon、Netflixにある程度の独占配信権を許諾。YouTubeの広告枠を売る許諾をGoogleから取得。PPJはパートナーシップの特徴的なもの。独自性。ビジネスやアニメなどエッジな物はロイヤリティを高める。ネット・他デバイス向けコンテンツへの挑戦。もやさま、YOUは何しになどのK看板番組を地上波と同じスタッフで制作。
効率的バリューチェーン。その中でマーケティングプラットフォーム化。広告主のマーケティング戦略に貢献。われわれがデータを知り得ないで広告を売っているのもおかしな話。テレビ局はエンジニアリングリソースを手元に置いておくことが最大の鍵

[public] 2017/11/15 02:07:08

野村氏:動画配信トレンドが変化しているのを感じる。導入期はテレビ・pc向けでJCOM、ぷららが牽引。成長期はスマホ。キャリアが先導。コンテンツの量を誇る。2015年から成熟期。端末を問わない動画配信。NetflixなどOTTが参入。独占的ラインナップ、オリジナルコンテンツで顧客を集める。
この変化に対応するため、顧客誘導導線を整理した。FODではSVODに入っていただきそこからTVODを買っていただく導線に一本化。
FODの特長。雑誌もマンガも読めるオンリーワンの動画配信プラットフォーム。雑誌は100誌、コミックは20万冊。コウノドリがよく読まれている。独占見放題が5000本。フジのコンテンツはあまり外に出していない。オリジナル番組が質量とも充実。今年は500時間制作。特にドラマには力を入れている。キャッチアップでは民放で唯一詳細な属性を把握している。地域も郵便番号ベースで把握。

[public] 2017/11/15 02:13:35

野村氏:コードブルーは19-20歳女性によく見られた。FODは1歳刻みで年齢を把握できる。属性を把握することも大切。ターゲティング広告を配信できる。FODアプリは500万ダウンロードを突破し有料会員は80万人。自分が使いやすいサービスになってきた。

[public] 2017/11/15 02:23:10

塚本氏:PPJについて聞きたい。TBSとテレ東は考え方が変わったのか?
茂川氏:ガラッと変わったんでしょうね。TBSとしてはPPJを最優先にしてコンテンツを集める。
蜷川氏:バラエティはまだまだ出していないものが強みになる。考え方が変わったというか、自分たちがコントロールしやすいプラットフォームを持つことで交渉をしやすくする。編成がしやすくなることはメリット。
塚本氏:TBS社長がオールジャパンにするといってるが他局に提供を求めるということ?
茂川氏:ここから先はユーザーオリエンテッドで進まないとダメだという意識改革があった。PPJも毎月のお楽しみを提供する形でいきたい。

[public] 2017/11/15 02:23:59

塚本氏:PPJにコンテンツを求められたら?
太田氏:出します。われわれは細かく考えて出す。Huluにコンテンツを出してもらっている。われわれはできたものをやってきたが、ゼロからやるのは本当に大変。
大場氏:検討を進めていきたい。
野村氏:閉じないとPPJは上手くいかないと思う。自社ビジネスの成長かPPJの二択。折り合える範囲で出していくことは可能。
塚本氏:オールジャパンを目指したプラットフォームが各局主導のものがいくつか出てきたということだと思う。PPJの今後の動向は注視していきたい。

[public] 2017/11/15 02:28:07

塚本氏:ディスカッション。アメリカだと自社でプラットフォームをやっているのCBSくらい。あとはコンテンツとプラットフォームを分離。そんな中なぜリスクを冒してプラットフォームを?どんなメリットが?
太田氏:課金モデルと広告モデルは全然考え方が違う。Huluはここで利益を出すという将来増がある。割と参入障壁が高いのでやる意味がある場。B2Cは契約もできないのでプラットフォームを持つしかない。一方アドで言うと、お金を抱えたままコンテンツを配信できるので極端な話プラットフォームはいらない。究極の形では日常遣いのサービスで番組を見てもらい僕らが売ったCMを見るというネットワークができるのが理想的。

[public] 2017/11/15 02:31:28

塚本氏:どこで見てもらってもいいということ?
太田氏:社内で議論があるがそういうこと。5局集まっても1億MAUはできない。
塚本氏:野村さんに伺いたい。アドも抱え込みたいということだろうが現状を。
野村氏:TVerでもFODアプリが必要だが、それは自分たちから出したいということ。GYAOに出していない唯一の局だが、われわれの要求をGYAOが満たせないから。GYAOに出したくないわけではない

[public] 2017/11/15 02:34:05

塚本氏:ADVODについては
大場氏:ネット上の話題をどう刈り取っていくか。ファーストDMPを取ったときにどう展開していくかが重要

[public] 2017/11/15 02:35:50

塚本氏:サードパーティーのプラットフォームについては。私が配信を始めたころはJ:COMに出すのが主だった。蜷川氏:もちろんウインドウコントロールが必要。ただ、一番危機感を抱いているのはテレビが100%リーチでなくなったこと。一定のリーチを取るためにある程度のプラットフォームに出すことが必要。いろんなお店に出し定番商品を作り、ロイヤルユーザーは自分の所に来てもらう。
茂川氏:私もほとんどいっしょ。自社でやるFODの実績はすごい。SVODは今月がよくても目玉がないと翌月に逃げられる。一社でキャリーしていくのは本当に大変。

[public] 2017/11/15 02:38:58

塚本氏:次のテーマ。無料広告配信の今後。つまりTVer。去年同じセッションてTVerが伸びてないという話をしたらその直後逃げ恥でドーンと伸びた。今後TVerがPPJになることはあるか?
茂川氏:TVerをなくしてPPJオンリーになることはないと思う。TVerは協調領域。どうしたら日本のユーザーに喜んでもらえるかということを各局やっているところ。

[public] 2017/11/15 02:41:15

塚本氏:HuluはSVODとしてはYTVの出資を受けたが。
太田氏:日テレ無料になる前からYTVにコンテンツを出してもらっているしHuluにも。われわれとしては今後もいっしょにやっていく。TVerは出し口の一つ。HuluはYTV・中京以外も出している。
大場氏:ABCはTVerで見逃しを出している。メーテレはテレ朝キャッチアップ。そもそもキャッチアップ配信自体は違法動画をなくすことが最大の意義。共通の目的の中でどうやっていくかは相談の上各局の判断。
茂川氏:系列に一律にお願いするのではなく、個々の対応をお願いする。radikoは非常におもしろいサービス。ラテ兼営局も多いので逆に情報をいただくこともある。
蜷川氏:(局が)少なく規模も小さいのでいっしょにやることが多い。系列外の局に買っていただくことも多いので、ひとつひとつ調整を進めながらやっていく。

[public] 2017/11/15 02:47:52

塚本氏:最後に、みなさんのご専門でないことは承知しているが、同時配信について個人的見解を聞きたい。日本ではビジネス的にはどうなのか?
太田氏:ビジネス的には話にならない。テレビの人が同時同時とこだわるのが理解できない。スマホは30秒遅れる。この「同時」に何の意味があるのか。今のシステムでも5分遅れはできる。30秒と5分の違いにどんな意味があるのか。
大場氏:配信全体の中で考えること。生活習慣を考えて編成している。ビジネス性を見据えて判断することが必要。期限があるからということではなくて全体として考えるしかない。
茂川氏:技術的なことはまったく同感。よく言われることは権利問題。権利がしっかり取りまとめられて許諾が取れてペイできるというすべてのことがクリアし権利団体に説明できないと技術的問題がなくても進められない。テレビ局単体では進めづらい。

[public] 2017/11/15 02:56:54

蜷川氏:ユーザーからすればいつでもどこでも見られることいいこと。新たなアプリ・デバイスが必要ということはやっちゃいけない。個人的な話で言えば、権利がどうにかなれば、AbemaTVにテレビ東京チャンネルができて全然いい。リーチができた分、レベニューシェアするモデルができればいい。
太田氏:放送と同時の配信はいまの話で、AbemaTVのようなリニアの話は全然別の話。後者はアリだと思う。
野村氏:フジテレビONETWONEXTをやっているのでその気になれば明日にでもできる。できないのは局の中に商売になると思っている人がいるからでは。私はドコモでワンセグを担当していたが、CMを独自に売ろうと思えばできたがやらなかった。結果的にはそれが正解。さっさとサービスと割り切るのがいいと思う。
塚本氏:今日はこれでセッションを終わりたいと思う。

[public] 2017/11/15 02:57:03

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