Inter BEE 2017基調講演「4K・8K実用放送に向けて」(2017年11月15日)実況まとめ(個人用)

#interbee2017 基調講演『4K・8K実用放送に向けて』
トップは総務省 大臣官房審議官・奈良俊哉氏による「放送政策の最新動向」。
市場の変化、インターネット広告の台頭、総務省各審議会での議論、実証実験の紹介。

つづき。4K/8K展開。放送コンテンツ海外展開。放送メディアへの信頼。放送ネットワークの強靱化支援。地上波局の経営力向上の支援。#interbee2017

二題目。日本放送協会専務理事技師長・児野昭彦氏による「ようこそ スーパーハイビジョンの世界へ」 #interbee2017

放送メディアの発展。
スーパーハイビジョンの特長。高精細、HDR、広色域、高音質。
スーパーハイビジョン放送のロードマップ。
2018年、スーパーハイビジョン実用放送。
4K/8K制作。NHKは2K・4Kと8K。2K・4Kは一体化制作を基本。4Kはベストセレクションチャンネル、8Kはフラッグシップチャンネル。
充実する8Kコンテンツの例。カンヌ・MIPCOMでヨーロッパのクリエイターから8Kに反応。8Kは放送だけではないという印象。
歴史を記録するスーパーハイビジョン。トランプ大統領訪日時に8Kでも取材。 #interbee2017

スーパーハイビジョン放送設備。東京オリンピックを見据えライブを中心に整備。スタジオ設備・送出設備はまだ。
カメラ。技研を中心に開発。2002年の80キロから1/10の8キロに。性能向上し小型化。キューブ型、ハンディ型も市場に。
NHKで保有する8K設備現況。ブースで動態展示中。 #interbee2017

8Kとオリンピックの関係。
オリンピックのたびに技術は進化。リオで初めて8K試験放送。東京五輪では実用放送。
リオの8K事例。5種目、1日10時間。2代の中継車で種目を分担。IBCに送られた映像を太平洋・ロシアルートで日本に送られ、日本からまたBS/LVに分岐。 #interbee2017

8K応用例。
ライブのパブリックビューイング。教育。医療にはすでにかなりの応用例。
街角のサイネージ、美術館。
薄型ディスプレイの進化。70インチディスプレイでも運び込めれば意外と家庭に入る。東京五輪はぜひ8Kで。 #interbee2017

3題目。パネルディスカッション「キー局系BS5社の取り組み」。

パネリスト:
神蔵 克 氏
株式会社BS日本 取締役 編成局長
壁谷 祐一郎 氏
株式会社ビーエス朝日 常務取締役
高田 卓哉 氏
株式会社BS-TBS 常務取締役
松本 篤信 氏
株式会社BSジャパン 取締役
荒井 昭博 氏
株式会社ビーエスフジ 常務取締役 編成局長

モデレータ:
塚本 幹夫 氏
株式会社ワイズ・メディア 代表取締役 メディアストラテジスト
#interbee2017

塚本氏:来年12月4K8Kの実用放送がBSCSで始まる。推進ロードマップについて振り返る。BS左旋右旋、CSでは2018年12月に実用放送が開始される。今年1月に認定事業者が発表。BS右旋は登壇各社に加えてNHKが4K放送。左旋はアンテナや宅内配線など工事が必要なので右旋の事業者に大きな期待がかかる。そうはいってもすぐに見られるわけではない。帯域上のチャンネルを引っ越さなければならない。いまあるお店を引っ越し、新しいお店開き、帯域を返上しても質を下げてはいけない。しかも新しいお店の宣伝もしなければならない。大変なことをしているが意外と知られていない。今年11/2に総務省から周知広報計画。知ってもらうためには具体的に何をやるかが重要。 #interbee2017

塚本氏:課題について各社からお話しを聞きたい。実用放送に向けてどんな取り組みを?
神蔵氏:BS日テレは日本テレビグループを代表して4K放送を行う。組織だって本格的にスタートしたのは去年。4月にBS日テレに部署立ち上げ。10月に編成局が主幹に。今年1月にホールディングスにも委員会とワーキンググループが発足。営業編成技術制作広報で話し合いを続けている。 #interbee2017

壁谷氏:BS朝日でも委員会を作り検討。ビジネスの在り方、編成方針など多岐にわたる。テレビ朝日にもプロジェクトがあり、BS朝日もメンバーに入り準備を進めている。 #interbee2017

高田氏:BS-TBSの中に委員会を作り検討。技術的には社内に4Kスタジオを2つ作る予定。ホールディングスにもプロジェクト。 #interbee2017

松本氏:テレビ東京グループとしてプロジェクトを作り社内横断し検討。技術はテレ東と一体になり検討。実施に入ったところ #interbee2017

荒井氏:フジメディアホールディングスとして4K検討委員会を立ち上げ。系列局が熱心に取り組んでいるので連携。 #interbee2017

塚本氏:BS日テレだけ2019年の放送。どのような周知広報を。前倒し可能性は
神蔵氏:各局と足並みをそろえてやりたい。総合的に前倒しをすることを含めて検討する。
塚本氏:関係者がよくわかっているのか疑問。プロダクションなどの関連業界は始まることをご存じか?
高田氏:制作会社の協力なくては継続的なコンテンツを出していけない。制作会社は意識に濃淡がある。意識の高いところは企画書を持ってくる。そうでないところは一般の方と変わらないく、「2Kが4Kになる」と思っている。周知広報を私が行っている。4Kを成功させるのが使命なので、制作会社と一致協力してやっていく。 #interbee2017

塚本氏:4Kでどういう番組をやっていくのかが気になる。どんな番組を展開するのか。
神蔵氏:日本テレビは麹町の再開発事業をやっており新しいスタジオを作っている。そこに作る4Kスタジオで収録。歌番組は想定に入っている。和服の演歌歌手の仕立てなどは独特の魅力があり、歌だけでない楽しみ方ができる。日テレといえばスポーツ。ゴルフのトライアル放送。ウエアの質感、青い空、雨粒の質感などがキレイに出る。 #interbee2017

壁谷氏:BS朝日では今年4月から2つ4K番組をレギュラーで放送。「日本の美しい歌」美しい風景を背景にして唱歌・童謡をかける。「美食探訪」土井善晴の料理番組。さまざまなジャンルの一流店を紹介。4Kで撮影し2Kにダウンコンしているが2Kで撮影するよりきれい。料理の接写などの撮影には苦労している。
地方局との向き合い。「新日本探訪」大分朝日・秋田朝日は4K制作をダウンコンして放送 #interbee2017

高田氏:「極上クルーズ紀行」をダウンコンして放送。4Kの特性として物取り、骨董品や料理などが親和性が高い。課題はドラマのスタジオ撮り。将来的にはドラマも大事なコンテンツ。
塚本氏:アナログからデジタルに変わるときも苦労があった。
高田氏:ある女優さんは「4Kは絶対出ない」という。かつらの境目も課題。 #interbee2017

松本氏:BSジャパンでは時代劇と現代ドラマを4K制作しダウンコンしてすでに放送。かつらはCGを駆使。いまのところ画面では支障ない。中継ものでは花火。土浦花火大会では花火を4Kで撮影し知見を溜めている。今後は旅番組など外ロケで4K。
塚本氏:花火はHDRでもいいコンテンツ #interbee2017

荒井氏:私は笑っていいとものプロデューサーをやっていてアルタをHD化した。HDにすることで、タモリさんの表情などわかるようになった。対談番組など実は効果的。プライムニュースを4Kでやりたい。政治家の一瞬の反応をより視聴者に見せたい。議論の白熱さ、感動を届けたい。系列のみなさんが4Kに非常に熱心。東京の人間が行かないところにも行って撮影。共同制作して4Kの比率を高めたい。 #interbee2017

塚本氏:NHKも一体となった周知広報が必要。
民放の特徴はCM。4KCMは?
壁谷氏:東名阪で地デジが始まったときと同様に2K4Kが混在すると思う。4K番組ではCMも4K。民放連で検討している。 #interbee2017

い塚本氏:4Kビジネスは。
神蔵氏:とにかくいい番組を作ること。局の人間も今年長岡の花火でキレイさを実感。一般の方にも感じてもらえる番組を作る。
壁谷氏:4Kにとって花火はキラーコンテンツだがBS朝日は乗り遅れたので探している。ドローンも含めて、見たことのないものを作っていきたい。
高田氏:信頼性はテレビ。生放送に加え、パッケージもののドラマ、品格のあるバラエティの企画を練ってみなさんに指示していただけるものを出す。何が何でもビジネスモデルに載せる。
松本氏:4KをきっかけにBSを100%の方が見られるようになることを望む。メーカーにも買いやすい受像機を出してもらい、われわれはいいソフトを作る。 #interbee2017

荒井氏:4Kはビジネスチャンス。新しいテレビを買えば番組を見たくなる。期待に応えられるソフトを作り、テレビとして、テレビ局として力をためて発展していきたい。
塚本氏:東芝テレビ部門がハイセンスに売却されるという衝撃的なニュースがあった。4Kをビジネスチャンスにすることが業界の再活性化に繋がると確信している。電通総研さんは「一周してテレビ」ということを今年おっしゃっている。高画質化によってテレビ視聴機会が増えると私も思っている。そう期待してパネルディスカッションを終わりにしたい。 #interbee2017

4題目。
一般社団法人放送サービス高度化推進協会 専務理事・土屋円氏による「新たな4K8K放送の展望 ～A-PABが周知広報計画を語る～」 #interbee2017

テレビの歴史は新たな機能をアドオンしていく歴史。2007年にBSのBPAと地デジのD-PA(ディーピーエー)が統合しDpaが発足。
DpaとNexTV-Fが統合してA-PAB発足。2Kに4Kがアドオンされるという歴史が始まる。現在の会員は三百社。 #interbee2017

右旋と左旋。右旋は4Kチューナーを購入すればそのまま視聴可能だが左旋は右旋左旋共用アンテナと宅内工事が必要なのでゼロからのスタート。ブースで実物を展示しているが(従来のものと)まったく変わらない。家電量販店の方に見ていただき、具体的イメージを持ってほしい。 #interbee2017

課題が多い。来年12月1日放送開始だがいまの試験放送とは違う。それまでに帯域の再編がある。各局の設備整備、衛星のアップリンクを行うB-SATの調整。恐らくぎりぎりにならないと電波を届けられないのではないか。正式に編成が決まった以降でないと視聴体験ができないのではないか。新放送に対応したテレビは来年夏から秋にかけて登場すると言われている。家電店の方に話を聞くと「お客さんは『いくら?』『時期はいつ?』『何が見れる?」」と言うが、そこに答える材料をいまは提供できていない。売る現場とのパイプを太くしていくことがいまわれわれが一番やらなければいけないこと。 #interbee2017

現在、4K対応テレビは320万台出ている。いま家電店とわれわれがやっているのは「そのテレビで4K放送は見れない」というキャンペーン。ネガティブなことだが協力してやっている。対応チューナーが発売された段階で、受信機の内蔵されていないテレビを買った人は「見れないの?」と必ずなるので、売る段階で周知することが大事と理解いただいている。このことにより家電店とのパイプが太くなっている。BSデジタル開始時も同じ思いをしたが、メディアとしてマイナーなので新聞にもテレビ雑誌にも番組表を載せてもらえなかった。4Kも同じことが起こると思うが、立ち上がりで100万台に乗せるのは家電店との連携が必要。再度信頼のパイプの構築を。 #interbee2017

各社の編成情報、番組情報もパッケージにして販売店に周知していきたい。それが効果を発揮するのがイベント。4K8Kを視聴したことのある人は視聴意向が明確に高まる。全体で3割だが6割に増える。一度見ていただかないと話にならないということ。いまの試験放送は受信機が効果でいろいろなところに展開できていないが、それを変えていかないと。4K番組をビデオにしてパラボラなどの機器とパッケージにして集客が見込める全国のイベントに出張っていきたい #interbee2017

各家庭に情報を伝えることが必要。300カ所で電気店・電気工事店などに左旋の技術講習を実施。100万件と言われる新築住宅をすべて取りこぼさないようにしたい。新築に4Kが普及すれば「私も見たい」と言われる、プラスのスパイラルを回していきたい。 #interbee2017

12/1には開始1年前セレモニーを開催。多くのメディアの方に来ていただきたい。推進キャラクター、コールセンター番号も発表。 #interbee2017